米子瀧山不動寺
信州最古の不動尊霊場で、国指名称・米子瀑布群の百メートル近い
二条の直爆の不動・権現両滝(滝自体が御神体)の間に開山地奥之院本堂
(飛び地境内)があり、庶民の心の拠り所であります。古くから
「米子のお不動さん」と呼ばれ、家内安全・無病息災・五穀豊穣
・厄除け・商売繁昌・病気平癒など、現世利益をご祈願・ご祈祷する
宗旨、宗派を問わない寺院です。
また、今もなお全国たくさんの方から厚い信仰を集めています。
当寺の本尊である不動尊は、千葉成田の不動尊、新潟の
菅谷不動尊と共に日本三大不動尊のひとつに数えられる由緒
あるものです。本尊不動明王は、等身大の立像で、弘法大師
(空海)の一刀三礼の御作と言い伝えられ、欅の一木造りで
像高一六二センチ、重量四七・五キロあります。
米子瀧山不動尊信仰は、奈良時代養老二年に菅平四阿山に
おける白山信仰によって発生し、また滝の縁である熊野信仰
などと一緒になり、安土桃山時代〜江戸時代初期、当寺奥之院
の対岸にある奇妙(帰命)山平における天海大僧正木食戒一番弟子
弾誓の弟子『木食僧』但唱上人(摂津国多田荘・摂関家{近衛家}の
領・現在の兵庫県川西市全域及び宝塚市北部、三田市東部、
猪名川町全域)出身や、但唱上人の弟子と言われる閑昌上人の
念仏信仰と深くかかわっています。
当寺より一二キロ奥・四阿山北西隅に、長野県須坂市にある
国指定名勝として名高い米子瀑布群にある不動瀧(八九メートル)
権現瀧(八二メートル)があり、瀧を背に当寺の奥之院があります。
夏には瀧に打たれる白衣の行者の姿も見られます。