ご本尊
護摩の炎
護摩の炎
不動明王立像
当寺の本尊である不動明王立像は、嵯峨天皇の勅命により、鎮護国家の願いを形にするために弘法大師(空海)が一刀三礼(一彫りごとに三度礼拝する祈りの作法)を込めて彫られたと伝えられています。この像は、日本で唯一とされる「出水型」のお姿を持ち、滝から現れた瞬間を象徴した神秘的な造形美を誇っています。
本尊不動明王は、聖武天皇が所持していた一本の欅から刻まれた三体のうちの一つです。残りの二体は千葉県の成田不動尊と新潟県の菅谷不動尊で、これらはかつて「日本三体不動尊」と呼ばれていました。その後、成田不動尊の広まりと三体それぞれの長い歴史を経て、「日本三大不動尊」という名で今に至っています。
歴史を辿ると、この不動明王像は足利家の念持仏(個人の守り本尊)として伝わり、初代将軍・足利尊氏公から代々大切にされてきました。特に第13代将軍・足利義輝公の代に、京に参内した上杉謙信公がこの像を拝見し、熱心に拝領を願い出て許されました。その後、謙信公は春日山城に持ち帰り、川中島の第四次合戦では本陣に祀って戦勝祈願を行い、兵士たちの士気を大いに高めたと伝えられています。この背景には、高野山金剛峯寺の無量光院住職・舜学坊清胤の強い勧めもあったと言われています。
須坂市の指定有形文化財であるこの不動明王立像は、日本の不動明王像の中でも屈指の秀作と評価されています。その美術的価値から、奈良国立博物館にて特別展示が懇願されるほどです。
荘厳な歴史と信仰の象徴である本尊不動明王を、その姿に込められた祈りと力を感じていただけることでしょう。
米子不動尊ご縁日(春季大祭)
毎年5月1日午前11時の米子不動尊結縁大護摩供修行の際にご開帳いたします。
※撮影はご遠慮ください。